『外構の間取り術』前庭編「くわける・つなげる・魅せる」で美しく豊かな外構へ!

※ 考え方のベースとなる日本の伝統的な庭園コンセプトのポイントやその『前庭』、『主庭』の役割については第1回記事を確認ください。
今回は『前庭』を「くわける・つなげる・魅せる」で外構デザインは豊かで美しくなる!というテーマでそれぞれの具体的な手法を紹介していきます!
まず、ベースにとなるプランは郊外型の住宅、南面にリビングを有する50坪の敷地です。
現代の住宅の庭においても、道路に面したいわゆるセミパブリックな空間の『前庭』と、居間に面するプライベートな『主庭』とを意識して「くわける」ことが大切です。
ポイントはさらにそこから『前庭』を「くわける」、「つなげる」、「魅せる」の3つのステップで設計していくことです。
■ Point 1 - 前庭を「くわける」
まず、道路に面した”セミパブリック”空間の『前庭』を、「駐車空間」、「アプローチ空間」と「自転車/遊具空間」に「くわけ(区分け)」ます。
■ Point 2 -「つなげる」クランクアプローチ
つぎに、Point 1で機能別に「くわけた」空間を″動線″、″緑″、″デザイン″で効果的に「つなげて」いきます。
まず、玄関アプローチ空間はあえてクランクやS字の形状にすることで、少しでも長く歩く距離をとり、「訪れる人」の見える景色の変化を少しでも楽しんでいたけるようにします。
ゆとりを感じていただくことから、狭い敷地を少しでも広く感じさせる効果を狙うというわけです。
■ Point 3 -「魅せる」”家付きの木・見返りの木”の効果を活用
また、玄関アプローチ空間には、家側に人を迎え入れる木(「家付きの木」)、道路側に人を送り出す木(「見返りの木」)の2本を配置します。
訪れる人、出かける人の目線や心を楽しませることができますが、狙いはそれでだけではありません!
この2本の木は、以下の画像の例のように、「手前は大きな葉、奥側は小さな葉」や「手前に太い幹、奥側に細い幹」といった樹木を配置することで、″遠くのものほど小さく見える″人間の目の特性を利用し、狭い敷地をより広く、長く見せる効果につなげることができるのです。
いかがでしょうか?このように、たとえ狭い敷地でも、「くわける」、「つなげる」、「魅せる」をうまく設計することで、住む人にも訪れる人にも、緑と奥行き感のある、魅力的で豊かな『前庭』をデザインすることが可能となります!