選挙控えるメキシコ、政治家133人殺害
【AFP=時事】大統領選、連邦議会選、地方選の投票を今週末に控えるメキシコで、候補者登録の始まった昨年9月から選挙運動最終日の今月27日までに133人の政治家が殺害されたことが明らかになった。選挙関連の暴力を調査したコンサルティング会社エテレクト(Etellekt)が28日、AFPに述べた。
【写真】メキシコ・ミチョアカン州オカンポの市長選候補者が射殺された事件で、遺体が入ったひつぎを運ぶ遺族
犠牲者の大半を占めたのは、メキシコの強力な麻薬カルテルから狙われることの最も多い地方政治家。選挙に立候補していたのは48人で、うち28人が予備選期間中、残り20人が本選期間中に殺害された。連邦議会選の候補者は1人だけだった。
メキシコでは昨年、殺人発生件数が過去最悪の2万5339件を記録しており、今回の選挙における暴力の規模も過去の記録を大幅に上回っている。
同国では政府が麻薬密売の取り締まりに軍を動員した2006年以降、暴力事件が多発している。
エテレクト幹部のルベン・サラサル(Ruben Salazar)氏は、麻薬戦争が始まって以降、麻薬カルテルが分裂したことで政治家への暴力に拍車がかかったと指摘。AFPとの最近のインタビューで、「新たに生まれた小組織」が取引に応じない政治家を排除していると説明した。
7月1日に投票が行われる今回の選挙は、大統領、連邦議会議員、州・地方の公職者数千人を選ぶもので、汚職と暴力が主な争点となっている。